【顎・唾液腺ボトックス】顎ボトックス後の頬のこけを防ぐ、正確な部位へのターゲティング

こんにちは。ルビー皮膚科クリニック代表院長のホ・ジョンです。
「エラボトックスを受けてから頬がげっそりこけて見えて、疲れて見えると言われます。」
「笑ったときに片側だけ口角が上がらず、表情が不自然に歪んでしまいます。」
エラボトックスは比較的手軽で一般的な施術ですが、診察室ではこのように頬のこけや表情の不自然さなどの副作用をおっしゃる方を少なからずお見かけします。エラや下顔面の輪郭には、一つの筋肉だけで存在するものではなく、咬筋(Masseter)、表情筋(Risorius)、耳下腺・顎下腺(唾液腺)が複雑に隣接しています。それゆえ、個々人の解剖学的構造や脂肪量を考慮した精密なデザインを行わなければ、望ましくない副作用が生じる可能性があります。
💡【3行でわかるポイント】
原理・ターゲット:食べ物を噛む際に働く咬筋(Masseter)や、過度に発達した唾液腺(耳下腺・顎下腺/Parotid・Submandibular Gland)にボツリヌストキシンを精密に注入し、下顔面の輪郭をすっきり整えます。
副作用の原因:頬のこけは、咬筋の上部や頬筋(Risorius)の部位に薬剤が及ぶことで生じる可能性があり、代償性肥大は筋肉の一部の層にのみ不均一に注入された場合に引き起こる場合あります。
解剖学的ターゲティング:安全区域(Safety Zone)内に正確な位置マーキング、多層分割注入、咬筋と唾液腺を細かく見分けて施術することで自然な輪郭を完成させることができます。
A. エラ・唾液腺ボトックスは、どのような原理で輪郭を整えるのでしょうか?
ボトックス(ボツリヌストキシン)は、神経伝達物質であるアセチルコリンの分泌を一時的に抑制し、過度に発達した筋肉や唾液腺組織のボリュームを減少させる仕組みです。
咬筋(Masseter Muscle)の弛緩:食べ物を噛む際に強く盛り上がる咬筋のボリュームを減らし、角張ったフェイスラインをなめらかなVラインへ整えます。
唾液腺(Parotid & Submandibular Glands)の縮小:耳の下やあごの下の唾液腺が肥大し、エラが張っているように見える場合、唾液腺の実質組織へ精密に注入することで、重たく下がって見えるフェイスラインをすっきり整えます。
顎関節の痛みの緩和:歯ぎしりや食いしばりの習慣による顎関節の過緊張や頭痛を緩和する、治療的な効果も期待できます。

B. 自分に合っている?おすすめ・施術前に注意が必要な方
1)このような方には特におすすめです。
- 奥歯を噛みしめたときに、あごの後ろ側の筋肉が大きく盛り上がる方
- 耳の下やあごの下のラインが膨らんでいて、エラが張っているように輪郭がぼんやり見える方(唾液腺肥大)
- 歯ぎしりや食いしばりの習慣により、顎関節のこわばりや頭痛にお悩みの方
2)このような方には、繊細なカスタムデザイン(個々人に合わせら施術)が必須です。
頬骨の下の頬の脂肪がほとんどなく、頬のこけが目立ちやすい方(上部の咬筋を完全に避け、下後方を中心としたデザインを適用)
C. あごボトックスで起こり得る主な3つの副作用とその解剖学的原因
頬のこけ(Cheek Hollow)
原因:咬筋の上部(頬骨の下の部分)に過剰な量を注入したり、薬剤が上方へ拡散したりすることで生じます。頬骨の下の脂肪が少ない方は、上部の筋肉が萎縮することで頬骨が目立ち、口元までこけたように見えることがあります。
笑顔の不自然さ・口角の左右差
原因:口角を横方向へ引いて笑顔を作る頬筋(Risorius muscle)の部位にボツリヌストキシンが及ぶことで生じます
飴をくわえているように見える「代償性肥大」
原因:咬筋は複数の層からなる多層構造となっています。薬剤が特定の層にのみ不均一に注入されると、作用を受けていない(麻痺されていない)周辺の筋線維が強く収縮し、飴をくわえているように一部がぽこっと盛り上がっているように見えることがあります。
D. エラボトックス vs 唾液腺ボトックスの比較
| 区分 | エラボトックス | 唾液腺ボトックス(耳下腺/顎下腺) |
|---|---|---|
| 主なターゲット | 咬筋(Masseter Muscle) | 耳下腺(Parotid)/顎下腺(Submandibular) |
| 症状の特徴 | 食べ物を噛んだときに硬く盛り上がる筋肉 | 噛んでいなくても耳の下・あごの下が重たく膨らんで見える |
| 注入の深さ | 筋肉内の深い層へ精密に注入 | 唾液腺の実質組織内へ表層注入 |
| 主な効果 | 角張ったエラの輪郭を縮小し、顎関節をリラックスさせる | たるんで見える下顔面・あご下のラインをすっきり整える |
E. 効果の持続期間とおすすめの施術間隔
効果が現れる時期:施術後1〜2週間頃から筋肉の力が弱まる感覚が現れ、3〜4週間頃からフェイスラインが視覚的にすっきりするピーク効果が現れます。
おすすめの施術間隔:筋肉が完全に元の状態へ戻る前の3〜6か月間隔で定期的にケアを受けていただくことで、すっきりとした輪郭を安定して維持することを期待できます。
F. 🔥フェイスラインを整える相乗効果のあるおすすめの組み合わせ
あごボトックス+ONDAリフティング/ウルセラ:あごボトックスで筋肉のボリュームを減らした後、ONDAやウルセラでフェイスラインのたるんだ皮下脂肪をアプローチし、肌を引き締めることで、理想的なVラインを完成させます。
あご・唾液腺ボトックス+輪郭注射:筋肉や唾液腺のボリュームを減らすと同時に、二重あごや深い頬の不要な脂肪を分解し、すっきりとした輪郭を形成します。

G. ホ・ジョン院長の実践的なノウハウ&診療における知見
あごボトックスは、単にあごに注射をする施術ではなく、「注入する位置と深さを精密に調整すること」が重要です。
私は施術前に患者様に奥歯を噛みしめていただき、咬筋の最も厚い部分と上部の境界を直接手で触診(Palpation)します。耳たぶの下端と口角を結ぶラインより下側にある、咬筋の「下後方1/3安全区域(Safety Zone)」を正確にマーキングし、表情筋である頬筋の領域を徹底的に避けます。また、頬のこけが生じるリスクが高い薄い肌タイプの患者様には、上部の注入ポイントを避けることを原則とし、多層に分けた分割注入テクニックを適用します。これにより、表情は自然であり、フェイスラインはすっきりと整えることができます 。
📌【まとめ】施術前後の注意事項
施術直後のケア:薬剤が周辺の表情筋へ拡散するのを防ぐため、施術後4時間は横にならず、施術部位を強くこすったり、マッサージしたりしないでください。
食生活の管理:施術後1週間は、硬いものや噛み応えのある食べ物(イカ、ガム、干しタラなど)を控えていただくことが、筋肉を緩やかに維持することに役立ちます。
一時的な反応:施術後1〜2週間は、食べ物を噛む際に少し力が入りにくく感じたり、こわばるような感覚が生じたりすることがありますが、筋肉を緩やかにする正常な過程です。
